2018年に発売された「Lemon」が大ブレイク、記録的ヒット作となり世間に一躍その名を知らしめた米津玄師さん。
その米津玄師さんの楽曲「パプリカ」のPVが話題になっています。
幼少期の回想から始まる、日本の田舎のノスタルジックな風景。夏の田園を駆け回る兄妹。
彼岸花の花火。そして、子どもたちにしか見えない赤いマントの子。
どこか哀愁漂うアレンジの楽曲に合わせて流れる意味深な内容のPVに、ネット上が沸いています。
今回はこの「パプリカ」のPVを、赤いマントの子を中心に考察していきます!
赤マントの子をチェック
主人公たちの幼少期の回想から、青年期に渡るまで登場する赤マントの子は、空を飛ぶ・雲の上を渡るなどどこか超常的な存在として描かれています。
全体として淡く優しい色合いのPVの中での赤マントがとても印象的ですね。
この子の正体は?
「原爆で亡くなった子」と言う解釈で概ね一致しているようです。
根拠としてはまず一つ、この赤マントの子が子どもたちにしか見えていない存在であること。
1:30~のシーンでは、縁側を走る赤マントの子に対して、父親は一切リアクションを取りません。また赤ちゃんとじゃれているのに、母親は目線すら向きません。
その直後のシーンでも、主人公たちが雲の上を駆ける赤マントの子を目撃していますが、大人たちの反応はありません。
また、幼少期から青年期にかけて全く成長していないことも挙げられます。
このことから、赤いマントの子は少なくとも普通の人間として描かれていないのは確かです。
赤いマントの子と原爆を決定的に結びつけているのがこのシーン。
手を広げて、鶴と一緒に空を飛んでいるところです。
これが広島市にある原爆の子の像を表現していると言われています。
画像Wikipediaより
原爆の子の像の画像を見ると分かるように、たまたま似てしまった訳ではなく、モチーフとして再現しているのは明らかですね。
極めつけに、YouTubeのMV「パプリカ」の投稿日時は8月9日。長崎に原爆が投下された日になります。
他にも、
・作中印象的に描かれている彼岸花が一般的に「墓参り」や「死」を連想させる花である
・幼少期・青年期共に主人公達が花を持って夏の時期にこの場所を訪れていることから、作中の季節がお盆であると推測される
・彼岸花の花火のシーンが送り火(お盆に帰ってきた故人の魂を現世からあの世へと返す行事)を表していると思われる
・彼岸花の花言葉「悲しい思い出」「また会う日を楽しみに」
・パプリカの花言葉「君を忘れない」
など、赤いマントの子が既に亡くなっている子どもであることを裏付ける描写はたくさんあります!
なお投稿日時が長崎原爆投下の日であることから長崎原爆がモチーフと言われることが多いですが、原爆の子の像があるのは広島県広島市。
また作中の舞台である丸い沿岸部が特徴的な港町は広島県の呉市に似ていることから、どちらかというとモチーフになっているのは 広島原爆の方であると考察します。
性別は男?女?
性別は明らかにされていません。
ネット上では「女の子だと思っていた」「男の子に見える」など意見が割れています。
赤いマントの子が一個人のキャラクターではなく、原爆で亡くなった子全体を表現しているのであれば、わざと男女どちらにも見えるように描いているものと思われます!
みんなの反応は?
パプリカ by 米津玄師
パプリカはカラフルな野菜
3色それぞれに魅力があります違う者同士が違いを認め合い
みんなで力を合わせたり
思いやる心を大切にして
元気になってほしいという思いが
この曲に込められてるようですパプリカの花言葉「君を忘れない」 #omoi pic.twitter.com/NqGli5U5Ds
— you 退院しました🍀ありがとう🍀 (@kokoro_youegao) August 21, 2019
パプリカ自体はカラフルな野菜ですが、花は全て白い色になります。花言葉以外の意味も何だか深いですね。
米津さんバージョン「パプリカ」、100万回再生!!え!!早っ!!!
— mucci (@mucci028409541) August 9, 2019
投稿から5日で再生回数1000万回を突破というものすごい人気です!
米津玄師さんのパプリカのMVを見た
長崎の原爆投下への鎮魂の歌ではないかという考察に賛成で、この画面の入道雲は広島に落とされた原爆のキノコ雲の暗喩ではないかと
積乱雲は下側がもっと横に広がる pic.twitter.com/DDMHBkB5OK
— さぷさん (@Sapsan82640068) August 11, 2019
雲の形に対して面白い考察をされている方も。
パプリカのアニメーション、なんか広島っぽくて好きなんだよねー。
内陸育ちの自分としては穏やかな海の街見ると福山や尾道を連想します。
というわけで、今年も広島いけないかなー。行きたいなー。無理なら年明け2月か3月にでも。— しょこら (@lovemickeyloven) August 9, 2019
PVの舞台が広島っぽいと感じている方は他にもいらっしゃいました。
最後に
そもそもパプリカという楽曲自体は<NHK>2020応援ソングというNHKのプロジェクト用に、2018年に発表されています。
Foorin(フーリン)という小学生ユニットが歌い、YouTubeにて公開されたダンスミュージックビデオが子どもたちの間で流行しました。
当初は東京オリンピック・パラリンピックの公式プログラムとして「頑張っている全ての人を応援する」という触れ込みで公開された楽曲を作詞・作曲担当の米津玄師さんがセルフカバーしたのが今回の「パプリカ」PVになります。
子どもたちが元気に歌う可愛らしい曲だと思っていたら、実は原発を彷彿とさせる反戦的な意味合いを含んだ平和の歌だったというところも話題の一因となったのだと思います。
極めて緻密に書き込まれた手書きアニメPVは「考察しどころがありすぎて困る」という声を聞くほど深い内容が詰まっています。
何度見ても新たな発見があり、そのたびに深く考えさせられる米津玄師さんの「パプリカ」
貴方も是非繰り返し視聴して、自分なりの考察を楽しんでみましょう!
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